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健康を守るドラッグストアに深夜営業を望む声が強い

「健康を守るドラッグストアに深夜営業を望む声が強い」

2009年3月

スーパーマーケットにおいて、営業時間を短縮する動きがあります。オーケーは、昨年の2月に 約70%の店舗で最大2時間の営業時間を短縮しました。最近ではオダキューOXが神奈川県内 の5店舗で24時間営業を中止したのをはじめとして、他の6店舗でも営業時間を1時間から6 時間短縮したという発表がありました。スーパーマーケットでは、バブル崩壊後に少しでも売上 高の低下を防ごうと、競って営業時間を延長してきましたが、ここに来て見直しの機運が高まっ ているということです。その背景としては、長引く景気低迷を背景に価格競争が激化しており、 人件費を中心とした経費削減をせざるを得ないという事情があるからです。

日本の小売チェーンは横並びの意識が強くて、他の企業が何かアクションを起こすと、深く考え ないで、すぐに追随する傾向が強いのです。その意味で営業時間延長も多分にブーム的な要素が あったし、今回の営業時間の短縮もまた、同様です。環境問題からの深夜営業に対する反対論も あるし、企業側のマネジメント上の問題もありますが、どのような理由があろうとも、企業側か らの一方的な営業時間の短縮は、その時間にしか買い物ができない消費者などの便利性を切り捨 てるという側面があることは、まぎれもない事実です。

このような中で、ドラッグストアにとっては、深夜マーケットの開拓は大きなビジネスチャンスと なります。その理由は2つあります。1つは、消費者の要望。2008年5月に実施された深夜営 業に関するアンケート調査を見ると、「深夜に閉まっていて困った経験がある施設・お店」、「深 夜に今後利用したい深夜・24時間営業店」のいずれの問いにも、薬局・ドラッグストアが第1位 となっています。もう1つは、登録販売者制度。従来はドラッグストアが深夜営業をするためには 薬剤師を常駐させなければならなかったのですが、6月からの改正薬事法の施行により、登録販売 者がいれば90%強の一般用医薬品が販売できるので、人件費の削減が見込めます。なお、深夜営 業に関する詳しい調査結果は、下記の通りです。

「深夜に閉まっていて困った経験がある施設・お店」
    1位:薬局・ドラッグストア 15.2%
    2位:銀行の窓口・銀行にあるATM 14.1%
    3位:病院 13.7%
    4位:郵便局の窓口・郵便局にあるATM 9.2%
    5位:書店 4.0%

「深夜に今後利用したい深夜・24時間営業店」
    1位:薬局・ドラッグストア 25.4%
    2位:コンビニエンスストア 24.9%
    3位:病院 24.8%
    4位:銀行の窓口・銀行にあるATM 24.7%
    5位:郵便局の窓口・」郵便局にあるATM 18.5%
        (マイボイスドットコム社調査、対象14,350名、複数回答)

他の業態は別にしても、健康を守るドラッグストアが深夜営業をする意義は大きいと考えます。
そして、それは結果的に、改正薬事法の施行により、一般用医薬品を取り扱う業態が増えて競争が 激化する中で差別化を図り、競争力を高めることにつながります。チェーンストアの歴史を見ると、 企業側の都合を消費者に押し付ける企業は滅びて、消費者ニーズを最優先にして、その中で利益確 保できる体質づくりをする企業が繁栄するのです。この意味で、スーパーマーケットの営業時間短 縮は、ドラッグストアにとっては、大きなビジネスチャンスとなるはずです。

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