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セブンイレブングローバルブランドに見るこれからの経営手法

「セブンイレブングローバルブランドに見るこれからの経営手法」

2010年4月

世界16カ国(台湾含む)に約3万7千店を展開する、世界最大のコンビニエンス・チェーンの セブンイレブンが、世界会議でグローバルブランドの確立を主張しました。セブン&アイグループ の鈴木会長によると、グローバルブランド確立のポイントは、正しいマーチャンダイジング、店 舗設備、オペレーション、ITシステムの4つということです。同時に、コンビニエンスストア の売上高を2014年までに、10兆円にするという発表もしています。これは現行のほぼ2倍 の数値に当たります。

これまでは、各国の実情に応じて、別々の仕組みを組んでいたのですが、この会議をキックオフ として、全世界を標準化してグローバル化に舵を切ったことになります。店舗設備に関しても、 環境配慮型のエコ店舗開発を推進しており、2015年には、国内で5千店舗、世界では2万店 舗に導入する計画を立てています。その背景には、環境は世界共通のテーマであり、環境対策コ ストは、相当な経営負担になるとの認識があるので、いち早く取り組みをスタートさせたいとい う意図があるからです。

イオンでは、衣料品専門店の子会社であるコックスとブルーグラスを合併させて、製造小売業す なわちSPA(Specialty store retailer of Private label Apparel)のノウハウ確立を目指す と発表しました。SPAは米国アパレルチェーンのギャップが開始して、日本ではユニクロが取 り入れて成功している手法です。アパレル以外でも、家具専門店のニトリなどが導入して大成功 を納めています。まさしくSPAは、グローバルスタンダードのマーチャンダイジング手法です。 GMS不振の元凶といわれるアパレルに、SPAを取り入れることにより、遅まきながらグロー バル化を目指すことになったのです。

ドラッグストアでは、サッポロドラッグストアーが、韓国のドラッグストアー大手のCJオリー ブヤングと業務提携したことが話題になっています。両社の仕入れ担当者が、それぞれの商品情 報や需要動向を情報交換して、化粧品や健康食品の品揃えや販促に生かすとのことです。最近の 韓流ブームで、日本でも韓国製の化粧品に人気が集まるなどの需要に対応していきたい考えだと 思われます。

これまで製造業ではグローバルスタンダードの経営手法が確立されてきましたが、小売業におい ては、ドメイン意識が強く、特に日本では本当の意味でのグローバル化がなかなか進んできませ んでした。これからの小売業は、国内だけに留まっている時代ではありません。日本の良いシス テムは積極的に海外に発信して、海外の良いシステムは日本に取り入れて、常に物事をグローバ ルスタンダードで考えていく視点が、小売チェーンの経営者に強く求められています。

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