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「ウォルグリーンがデュアン・リードを買収」

2010年2月

アメリカの最大手のドラッグストアであるウォルグリーンが、ニューヨーク市内最大手のドラッグ ストアであるデュアン・リードを買収するという発表をしました。買収総額は10億7500万ドル。 買収金額6億1800万ドルと債務4億5700万ドルの合計になります。デュアン・リードの株式は、 オークヒル・キャピタル・パートナーズという投資会社が保有していましたが、2010年の8月末 までに、ウォルグリーンが買い取ることで契約が締結されたようです。

デュアンリードはニューヨークマンハッタンを主な商圏とするドラッグストアチェーンであり、ニュ ーヨーク市内と近郊に257店舗を展開しています。2009年の売上高は、約18億ドルです。全 店舗のうち、約60%がニューヨーク市中心のマンハッタン地区にあるという、主に都市型の店舗 を展開している企業です。都心立地ということで、やや高めの価格設定で運営して、1990年代 後半に急速拡大しました。その頃から、高付加価値好きな日本企業の視察先として人気もかなり 高かったのですが、内情は赤字が続いていたようです。

2004年に、オークヒル・キャピタル・パートナーズに買収されました。その後は非上場とな ったために、経営内容は公開されていませんでした。最近では、カナダのロブロウの幹部をCEO として招聘して、新しいロゴに変えたり、大掛かりな店舗改装をしたり、新たなPB商品を導入し たりして、立て直しを図っていたのですが、結果が出る前に、ウォルグリーンに買収されたこと になります。多額な負債が残っていますが、投資会社は、今が売り時と判断したのでしょう。

ウォルグリーンは、ニューヨーク周辺に約70店舗ほど展開していますが、当面はデュアン・リード の名称を維持するが、今後どうするかは、これから検討するとコメントしています。いずれにしても これまでニューヨーク市中心部での展開が遅れていたウォルグリーンとしては、一気に店舗網を築く ことが可能になりました。これまで、全米で2強といわれるドラッグストアにおいて、ウォルグリー ンは自前で店舗展開をして、CVSケアマークはM&Aで店舗展開すると言われてきましたが、近年 は、ウォルグリーンも積極的にM&Aに乗り出してきています。特に、都心部では物件確保に時間が かかることから、M&Aによる規模拡大は、大きなメリットが得られます。

アメリカでは、売上高第1位のウォルグリーンと第2位のCVSケアマークが拮抗していて、かなり 離れてライトエイドが第3位です。そこからは売上げがさらに大きく離れるのですが、今回買収された デュアン・リードは、ライトエイドに次ぐ売上げの企業です。今回の買収により、上位企業の寡占化 がほぼ完全にに完成されたといってもよいでしょう。もはや、ドラッグストア上位企業の競合相手は、 ウォルマートやクロ−ガーなどの異業態ということになります。

先日、ウォルグリーンがフレッシュフーズや総菜を強化するプランを発表しました。米国でフレッシ ュフーズというと生鮮三品を意味するのですが、この場合はおそらく冷凍食品を意味していると思わ れます。どこまで品揃えを強化するプランなのかは、現段階では不明ですが、異業態との戦いに際して、 ウォルグリーンは、新たな商品戦略を模索していると思われます。

上位ドラッグストアの多くがホールディングス会社を設立して、M&Aを中心に急速に上位寡占に 向かっている日本のドラッグストアにとって、今こそ米国ドラッグストアの歴史と、勝ち残った企業 がなぜ勝ち残ったのかという本質的な要因、そして現在進行しつつある経営戦略を真摯に学ぶ必要が あると考えます。日本市場で真剣に勝ち残りたいと考えている経営者の皆様は、今後の経営戦略につ いて、ぜひアクティブ・コンサルティングにご相談下さい。

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